バイオフィリックなマイホーム
昨夜の「世界ふしぎ発見」では建築家のフランク・ロイド・ライトが取り上げられていました。
素晴らしい建築物の数々に、ため息が出るほどでした・・・
落水荘
彼の建築に関する考え方は、「自然と建物の一体化」であり、「まさに自然の中に溶け入るようにしっくりと納まるように、そしてその地の風景、その地の生命のリズムを乱さぬように建物を建てるべきだ」と語っています。
その為常に「風や光、緑、そして景観までも室内外に取り入れることが大切」としていますが、これは昨今注目されているバイオフィリックデザインに通じるものがありますね。
実際、彼はバイオフィリアの主唱者の一人です。
バイオフィリックデザインとは?
「バイオフィリック」という言葉の元になっている「バイオフィリア」とは、1980年代、アメリカ人生物学者のE.O.ウィルソンによって提唱された考え方で、元々「生物、あるいは生命のシステムに対する愛情」を意味します。
それによると、私たち人類は「本能的、また遺伝的に自然界への親和性を持っており、継続的に自然との接触を保っておくべきだ」とされています。
そこから発生したバイオフィリックデザインとは、建築環境において自然とのつながりを保つことで、精神的、肉体的な幸福を向上させるための取り組みのことです。
例えば、2004年のある研究において、理想の都市とはどういうものかを答えるように求められた回答者たちは、多くが都市的でない特徴、とりわけ緑を選択しました。
また、 これとは別の研究では、心地よい自然の景観が住宅の不動産価格を著しく引き上げる可能性も示されています。
バイオフィリックな体験に対する人々の反応は、これまでにあらゆる方法で測定されてきました。
視覚的な実験では、自然のない人工的な景色の画像より、自然の景色の画像を見る方が人間の脳の視覚野に強力なド ーパミン反応(快楽欲求指標)を引き起こすことが示されました。
その他の反応としては、認識能力の向上や創造性の促進も測定されています。
イエール大学のスティーブン・R・ケラート博士は、植物や自然採光、そして自然界に由来する形状や素材を通じた間接的影響を、この種のデザインの特徴の一部として挙げました。
実際の自然環境の不在、つまり、自然の擬態が同等の恩恵を備えているという点です。
これは「バイオミミクリー(生物模倣性)」として知られています。
GoogleやAmazonなどのオフィスがこの考え方に基づいたものであることは有名ですよね。
Googleのオフィス
Amazonのオフィス
さて、
私たちの家の中でも、バイオフィリア仮説を実践し、他の生物とのつながりを持つことは可能です。
例えば、外の自然を眺めるために大きな窓やガラスドアを設けたり、庭を作る、インテリアグリーンを多く取り入れる、さらには家そのものを自然素材で建てることなど・・・
また、イギリス エクセター大学医学部研究によれば、ブルースペースつまり海岸や川、湖といった水の近くにいることも、精神的、肉体的、社会的な健康に有益であると発表されました。
もちろん、誰もが海、川、湖の近くに住むことはできませんが、庭に池を作ったり、小さな水盤を置くなど、代替することができます。
自然素材を使った家で、精神的、肉体的な幸福を向上させませんか?
R.