住宅まめ知識 -漆喰と珪藻土 -

パルステージのブログの中には、自然素材の塗り壁として、「漆喰」「珪藻土」という言葉がよく出てきます。

 

 

皆さんはこれらがどんなものかご存知ですか?

 

まず、「漆喰」ですが、

原料は主に石灰岩です。

石灰岩を焼くと生石灰(炭酸カルシウム)になり、そこに水を加えることで消石灰(水酸化カルシウム)となります。

消石灰に麻スサやぎんなん草を加え、水で練って滑らかにしたものが漆喰です。

 

漆喰は、そもそも武家屋敷や城の防火のために、土壁の表面に仕上げ材として使用されたのが始まりとされています。

その後、神社仏閣や町民の富裕層にも広がっていきました。

 

 

そして、調湿機能の高さ、耐久性から、土蔵などにも使われるようになり、現在に至っています。

 

 

海外での歴史はさらに古く、約5000年前からエジプトのピラミッド内部の壁に使われていました。

また、ギリシャなど地中海沿岸で多く見かける白い建物も「漆喰」です。

  1. ギリシャでは石灰が安く手に入る
  2. 強い日差しによって室内が高温になるのを防ぐ
  3. 石灰の除菌作用で雨水を除菌する

 

などの理由で漆喰が使われるようになったということです。

 

 

 

漆喰には珪藻土と比べて大きく違った点があります。

 

漆喰を壁に塗ると、乾燥する際に、空気中の二酸化炭素と化学反応を起こし、再び元の石灰岩と同じ成分の「炭酸カルシウム」(生石灰)に戻っていきます。

つまり、時間をかけてもとの石灰岩の様に頑丈になっていくということです。

 

 

 

次に、「珪藻土」ですが、

 

珪藻土は植物性プランクトン(藻)が化石化したもので、主成分は「二酸化珪素」でガラスと同じです。

 

これに石灰や粘土などを混ぜて硬化し、壁として使用できるようにしています。

 

昔から火に強い土として、七輪、コンロ、耐火断熱レンガの原料として使用されてきました。

 

古代ギリシャでは、研磨剤や水に浮く土として軽量レンガに利用されました。

 

トルコのイスタンブールの博物館には、6世紀に珪藻土で建築された寺院のドームが残っています。
日本では食べられる土として熊本城の内壁材に使用されて、籠城(ろうじょう)に備えたり、輪島漆器(しっき)の下塗材として江戸時代より伝統的に用いられています。

 

また、最近ではお風呂マットに使用されていますね。

 

珪藻土には漆喰の様に自分で固まるという性質はありません。

ですが、漆喰よりもより吸放湿機能が高く原材料も安価です。

 

 

以上、自然素材の塗り壁、まめ知識でした^^

 

R.